平成30年2月27日(火)、大阪社会福祉センターで「第3回集団指導者養成教室」が開催されました。
今回は、昨年大好評だった「親と子のメンタルヘルス研究所」所長の岸本 元気氏を講師としてお招きし、現場で見られる「コミュニケーショントラブル」解消法をテーマに福祉施設で働く職員が抱える問題に共通した研修内容を講演いただきました。
福祉現場に限らず「対人援助職場」(医療、介護、教育、サービス業など)は、笑顔で人に接して幸せをお届けする仕事であるのですが、その反面、多くの人間関係のトラブルや心身の不調、ハラスメントなど他の業界よりもはるかに多くの問題を抱えています。それが「対人援助の職場」です。
当日の研修では、「コミュニケーショントラブル」を「予防」「解消」「解決」の3つの視点で解説し、福祉職員が「何を」見て、一体「何を」アドバイスしているのか、事例やワークを通して現場でも使える「コミュニケーショントラブル解消法のスキル」を学びました。
岸本 元気(きしもと げんき)
保育ソーシャルワーカー(保育士・精神保健福祉士)
メンタル不調(うつ病、パニック障害など)をかかえる保護者の子育て支援に特化し、『メンタル不調時の子育て支援の専門家』として、九州県外からの保護者からの問合せも多く、常に50名以上のサポートを行なっている。また発達障がいのある子どもたちの生活サポートも実施。こどもと保護者に寄り添う支援を行っている。保育者研修では、「言葉がけ」や「保育ソーシャルワーク」「保育相談支援」「気になる子の対応」などをテーマに全国で研修、講演活動を行なっている。 現在まで、児童養護施設指導員、保育士、学童保育指導員、精神科ソーシャルワーカー、スクールソーシャルワーカー・スーパーバイザー、など保育士としての活動だけでなく、医療現場、学校現場など幅広い分野でのソーシャルワーカーとしての活動経験を持つ。 |
参加者の声
①テーマ:「予防する」自分だけでなく、職場でも伝え、全体で実践できそうな内容でとても参考になりました。自分では当たり前のようにしていることでも、若い先生からすると分からないこともあるなかで、ひとつの方法を共有するだけで負担を減らせてあげられるのだと知ることができました。
(保育)
同じ方向を向いて、思いやりをもって接するというのは、大人も子どもも等しく大切なことかと思いました。大人が率先して行うことで職場の人間関係の緩和だけでなく、それを見る子どもたちにも良い影響があるのではないかと感じました。
(児童)
職場の雰囲気が悪くなった時、何とかしないとと考え、人間関係の研修をやったが、その後の効果は見られませんでした。少し方向を変えることで改善につながるということを知り、自分自身も専門性を磨く必要があると感じました。
(セルプ)
(グループワークで予防・解消・解決の視点からトラブル解消のカギを掴む)
②テーマ「解消する」
保育の場面で接することの多い保護者さんの話だったのでイメージしやすく、こういった場面での対処方法なども知ることができて参考になりました。
(保育)
問題(核)を見つけるときには視覚化することも大切だと学んだので、施設内でも取り入れたいと思いました。
(児童)
マスクは自分を見せたくないとも受け取れて、互いに線を引いてしまいがちだが、心のうちを見せられる「表情」はとても大事と受け取れたので身体でボディーランゲージでも示していきたいと思いました。
(老人)
確かに一度嫌いになった人を好きになることはほとんどないが、第一印象が悪い人ほど後に仲良くなることがあり、不思議に思っていたことが解決しました。「意外性」を見つけていたことに気付きました。
(セルプ)
(「言葉」と「表情」の重要性を参加者に伝える)
③テーマ:「解決する」
(保育)
目の前の問題を解決しようとすると核の問題を見逃すことが多く、解決に至らないこともあり、もう一度問題の解決について再確認しました。
(セルプ)
他施設の方と情報を交換しながら話をし、事例等の話をできたので良かった。
(児童)
問題提起にはなかなか見出せない、あげられないという人の目を気にしてしまう面があるので、それまで向かう到達点、信頼関係も必要だと思いました。
(老人)