市民後見人養成・活動支援事業

身近な「市民」の立場で行う後見人活動
それが市民後見人です。
  • だれもが住み慣れた地域で安心して暮らすことをめざす地域福祉活動として、
    判断能力が十分でない方々の生活を身近な立場で支援し、
    後見活動を行う「市民後見人」が活動しています。

    大阪府では、平成23年度から複数の市町村が合同で、
    大阪府社会福祉協議会地域福祉部権利擁護推進室に
    市民後見人養成講座を委託し、「市民後見人」の担い手を養成しています。
    講座を修了した方は、「市民後見人バンク」に登録され、
    家庭裁判所から後見人に選任された後の活動は、
    市町村等と権利擁護推進室が支援しています。
    大阪府、大阪市、堺市は、共通した考え方でそれぞれ市民後見人を養成しています。
成年後見制度・成年後見人の役割
だれもが、住み慣れた地域で
安心して暮らし続けるために
  •  成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどにより
    判断能力が十分でないため、自分自身で契約や財産管理などの法律行為を行うことが難しい場合に、
    家庭裁判所から選任された援助者(成年後見人等)がその方を支援する制度です。

     成年後見人は、ご本人の意思を尊重しながら生活状況や心身の状況等も考慮し、
    ご本人に代わって福祉サービスの利用契約や財産管理を行うことで、ご本人の生活や財産を守ります。

     成年後見人には、法律行為(日常品等の買い物などに関する行為を除く)を
    ご本人に代わって行ったり、必要に応じて取り消したりする法的な権限が与えられています。
  • 成年後見人の業務の例
  • 預貯金の
    管理や支払い手続き等
  • ご本人の
    見守り
    (定期的な訪問等)
  • 福祉サービスの
    利用や
    入院などの契約
  • 官公庁への
    各種手続き
  • ご本人が
    不利益な契約を
    結んでしまった
    場合の取り消し
など
  • 成年後見人の業務ではないこと
  • 手術など
    医療行為に関する
    同意
  • 介護家事などの
    事実行為
  • ご本人の
    身元保証人や
    連帯保証人に
    なること
  • 葬儀の喪主に
    なること
など
大阪府の市民後見人活動の特徴について
  • 「市民後見人」とは、家庭裁判所から成年後見人等として選任された市民のことです。
    大阪府では、成年後見制度に関する一定の知識や技術・姿勢を身につけた
    ボランティアの市民として、報酬を前提としない後見活動に取り組んでいます。
    その権限や業務は、他の後見人(親族や専門職など)と同じですが、
    市民としての特性を活かした活動を行います。
  • 市民後見人は、高額な財産や親族間の係争など、
    複雑な法律行為を行う必要がない方を担当します。
  • 市民後見人は、ご本人の生活を見守り、年金などの限られた収入の中で、
    ご本人のためにどのように使っていくかを考えて活動しています。
    市民後見人は、原則として同じ市町村に存在する
    お1人の被後見人を担当し、月に3〜4回程度訪問します。
  • 市民後見人が円滑に活動を進めることができるよう、
    市町村・権利擁護推進室等が連携しながら支援を行なっています。
    必要に応じて、弁護士・司法書士・社会福祉士の専門職から
    具体的なアドバイスを受けることもできます。
    • 市民後見人とは、家庭裁判所から成年後見人等として選任された一般市民のことであり、
      専門組織による養成と活動支援を受けながら、市民としての特性を活かした後見活動を
      地域における第三者後見人の立場で展開する権利擁護の担い手のことである。
    • ※岩間伸之(大阪市立大学大学院生活科学研究科教授)
      「『市民後見人』とは何か-権利擁護と地域福祉の新たな担い手」
      (『社会福祉研究』第113号、鉄道弘済会、2012年、P.13)
市民後見人の活動事例
最後は生まれ故郷で過ごしたいと、
80歳で遠方から高齢者住宅に入居されたAさん
 これまでのAさんは、毎日のほとんどを自室で過ごし、訪問しても無表情のままでした。
 でも、毎週お会いするうちに、私(市民後見人)のことを覚えていただき、訪問を楽しみにしてくれていることが分かりました。
 外出がお嫌いだと聞いていましたが、ご両親の話題から軽い気持ちで「思い出の場所へ行ってみませんか?」とお尋ねしたところ、「行きたい。」と、はっきりした言葉が返ってきました。
 専門相談で医師の受診や介護タクシーの手配等を相談し、念入りに準備しました。
 無事外出を果たしたAさんの満足そうな笑顔は一生忘れられません。
母親が亡くなった後、
自宅でひとり暮らしのBさん、66歳
 交通事故に遭い、保険金手続きのため後見人が必要となり、私(市民後見人)が選任されました。事故の損害賠償の交渉は弁護士に委任し、まとまった金額を受け取ることができました。
 Bさんは、週に2回デイサービスで入浴する他は自宅で過ごすことが好きなようですが、私は、毎週1回Bさんのお宅に伺い、体調や暮らしぶりを尋ねています。
 Bさんの後見活動を行うことで、私も地域の皆さんとのつながりができ、皆で支え合う気持ちを確認できました。
 Bさんへの後見活動は長期間になりますが、ご本人が気に入っている今のご自宅での生活を続けていけるよう、手探りながら、地域の皆さんと共に寄り添っていきたいと思います。
市町村等と権利擁護推進室の活動支援
  • 日常的な相談
    • 市町村または一部事業を受託している市町村社会福祉協議会が日常的な相談に応じます。
    • 必要に応じて専門相談で対応します。
  • 専門相談
    • 弁護士
    • 司法書士
    • 社会福祉士
    • 受任直後 初動期活動の打合せ
    • 受任1か月後、3か月後、6か月後、以降半年毎、誕生月
      (家庭裁判所への報告前には必ず実施します。)
    • 課題が生じた場合には随時相談を実施します。
大阪府の市民後見人の養成と活動支援
市民後見人養成講座に応募できる方
  • 地域福祉活動および社会貢献活動に意欲をお持ちの方で
  • 事業実施市町村に在住又は在勤の方
    (事業実施市町村については、権利擁護推進室にお問い合わせください。)
    (大阪市と堺市にお住いの方は、それぞれの市にお問い合わせください。)
  • 市民後見人バンク登録時の年齢が満25歳以上70歳未満の方
  • 成年後見業務の養成研修を有する団体に所属、または親族以外の後見人をされている方を除きます。
    ※この講座を受講することによって成年後見人等の資格を得られるものではありません。
  • 養成講座受講からバンク登録まで
  • 01
    養成講座募集案内
  • 02
    オリエンテーション
  • 03
    基礎講習(4日間)
    実務講習(7日間)+ 施設実習(2日間)
  • 04
    市民後見人バンク登録
  • 05
    バンク登録者研修
  • バンク登録から受任まで
  • 01
    家庭裁判所から市町村に推薦依頼
  • 02
    受任調整会議
    候補者の検討・決定
  • 03
    市町村から家庭裁判所へ
    候補者を推薦
  • 04
    家庭裁判所が成年後見人を選任・確定
  • 05
    市民後見人活動の開始
  • 大阪府では、すべての市町村にお住いの府民の皆様が、市民後見人の支援を受けることができる体制の整備をめざしています。
    市民後見人養成等事業に関することは、各市町村または権利擁護推進室にお問合せください。