今回は、高校生が主体となって清掃活動を行う大阪府立岬高等学校「ピリカ部」の、海洋ごみ0ゼロをめざして取り組む姿をお届けします。毎週土曜日にときめきビーチ(淡輪海水浴場)を中心に清掃活動を行うピリカ部。浜辺の清掃に加え、SUPで海に出て、海上にある漂流ごみの回収も行っています。毎週活動を行っているにも関わらず、毎回平均ゴミ袋6袋分のごみを回収しています。季節によって落ちているごみの種類は変わります。例えば夏なら花火やバーベキュー、海水浴客のペットボトル、缶ビンなどがあります。冬は街から風で飛んでくる発泡スチロールや海外から流れてくるごみが多く見られます。SUP(サップ)スタンドアップパドルボードの略称で、ボードの上に立ちパドルを漕いで水面を進んでいくウォーターアクティビティです。地域の皆さんからも感謝される活動へときめきビーチを守る高校生たち活動のきっかけは生徒のひと言6ボランティアOSAKA 〓〓〓〓〓〓」を受賞しました。生SUP体験をした生徒の「普段使わせてもらっているこの海をきれいにしたい」という声からはじまりました。さらに他の生徒たちからもこのような声が集まり、教員の「自然にふれあいながら体を動かすことで、座学では得られない体験から自信をもってほしい」との願いから創部に至りました。この活動は6年前に、体育の授業で生徒たちの「海をきれいにしたい」という思いは後輩へと引き継がれ、活動の幅も広がり、校内の環境美化や地域活動への参加にもつながっています。今年6月にはライオンズ万博in泉州で、生徒がSUP体験の講師を務めました。100人以上の参加者へSUPを通してピリカ部の活動を伝えると、体験中に一緒にごみ拾いをしてくれる参加者もいました。生徒たちの思いが、校内や地域を巻き込む活動になっています。「地域の皆さんが普段の活動を見守ってくれている。海をきれいにしてくれてありがとうと感謝されると幸せな気もちになる」と、3年生の池村七海さんは話します。ピリカ部は今年度の大阪府民生委員児童委員大会で「子どもさわやか賞徒にとっては、普段から当たり前のように行っていることですが、地域の皆さんの応援と共感を得る活動になっています。また、すすんでごみを拾う姿勢が、地域の人から「ありがとう」と声をかけられる経験になり、生徒たちの自信や責任感をさらに後押しし、成長につながっています。2025 年 4 月~ 9 月の海洋ゴミ回収状況個数発泡スチロール187ペットボトル625ペットボトル7.47タバコ228カン91ビン13キャップ324燃えるゴミ67.67カン 2.87ビン 1.63キャップ0.98タバコ0.48発泡スチロール 1.28重量(kg)※ピリカとはアイヌ語で「美しい」「きれいだ」という意味子どもさわやか賞海 を 守 り 、自 ら 学 ぶ き れ い の そ の 先 へ 岬 高 校 ピ リ カ 部受賞
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