最低賃金の動向と事業主の責務められません。●最低賃金とは●地域別最低賃金とは❶精神又は身体の障がいにより著し今年の最低賃金は、すべての都道府県で50円以上アップし、国が示した目安の50円を27県が上回るなど、異例の大幅引きあげとなります。大阪では1,114円となり、5年前より150円アップ年前より276円アップし、上昇傾向がつづいています。今回は最低賃金について、ご説明します。最低賃金法に基づき、事業主が労働者に支払う賃金の最低額として、国が定めたものです。最低賃金は、時間によって定められており、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。最低賃金は毎年、中央最低賃金審議会で見直しの有無を審議します。事業主は、最低賃金の適用を受ける労働者に対して、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。、10また、事業主は、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲と、これらの労働者に関係する最低賃金額、算入しない賃金、さらには効力が発生する年月日を、つねに作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法により、広く知らせなければならないとされています。地域によって物価や労働者の賃金などが異なることから、地域ごとの実情を踏まえて決定されています。これは、雇用形態や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその雇用主に対して適用されますので、試用期間中(研修中も含む)や高校生であっても、最低賃金を下回ることはできません。例外として、以下の❶~❺の場合は認められますが、すべて労働基準監督署長の許可(最低賃金の減額特例)が必要となっています。なお、派遣職員については、派遣先の事業場の所在地を含む地域で決定された、地域別最低賃金の適用を受けます。❸職業能力開発促進法に基づく認定※❶の場合、加齢に伴う労働能力の低下は認❷試みの使用期間中の者❹軽易な業務に従事する者❺断続的労働に従事する者は、最低賃金を下回ってしまうケースがあります。左表の方法で確認してください。したとしても、それは無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなく労働能力の低い者職業訓練を受ける者のうち一定の者また、月給制の場合、17万円程度で最低賃金額より低い賃金で雇用契約されます。さらに、最低賃金法は、強行法規なので、最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合、事業主は、その差額を支払わなくてはなりません。事業主は、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、50万円以下の罰金、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、の他、最低賃金の周知義務に反した場合、雇用主は、30万円以下の罰金に処せられます。最低賃金法は、他の労働法より、罰則が厳しくなっていますので、注意をしてください。月給制の場合での確認方法≧最低賃金額(時間額)」特定社会保険労務士 泉いずみたに谷 功いさお※1,255円≧最低賃金額(時間額)となるので、このケースでは問題ありません。※諸手当には、通勤手当、時間外手当等は含みません。<時間単価の計算方法>「月給(諸手当を含む)÷1ヵ月平均所定労働時間具体的な事例としては、以下の通りです。(賃金)基本給…18万円 資格手当…1万円処遇改善手当…2万円 ・1日の所定労働時間8時間・年間の所定労働日数251日(週休2日+夏期休暇5日、年末年始休暇5日の場合)8時間×251日÷12ヶ月=167.33⇒月給総額21万円÷167.33時間=(計21万円)(1ヵ月平均所定労働時間)1,255円(時間単価)11 30万円以下の罰金に処せられます。こ
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