ふくしおおさか2023年7月号
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児童施設部会高齢者の緊急支援「社会的孤立」への思い夢をみつけるために失敗を経験につながり、寄り添う ゆずの郷の副施設長松まつ尾お隆り一いちさんはCSWになって10年以上の経験があり、これまでも総合生活相談で多くの支援に携わっています。今回連絡が入ったのは、外出中に帰り道がわからなくなり、保護されたひとり暮らしの高齢者の相談です。認知症により金銭管理も行えず、生活全般に支援が必要な状態でしたが、家族や地域との関わりもありませんでした。施設入所や自宅の掃除や片付けについて相談したいと地域包括支援センターから連絡を受け、支援を行いました。本人にお会いした時には、同じ話を繰り返し、会話も難しい状況でした。また、自宅は物が散乱していましたが、その状況も理解できていないようすで、ゅう本人が安心して生活できるように直ちに支援をする必要がありました。すぐに不用品処分業者等と自宅を訪問し、一週間後には処分を実施。その間、ゆずの郷での緊急ショートステイの調整をし、緊急支援後はゆずの郷へ入所することができました。松尾副施設長は、「制度の狭間の相談では、瞬発力と適切に次につなげる支援をすることを心がけています。本人が施設で支援を受けながら生活ができるようになって良かった」と振り返ります。ゆずの郷には、企業型保育園や市立の多世代交流センターが併設されています。「ここ数年、年齢を問わず社会から孤立している方の相談や支援が増えています。そのたびに教育や学びの重要性を感じ、人との関わりあいを学ぶことで孤立は防げるのではないかと考えます。今後は施設入居者や園児、地域住民など、さまざまな世代が関わり、学びあい、声を掛けあえる関係性をつくることで、地域全体の孤立を防ぐことができたら」と、松尾副施設長は展望を語りました。立し、社会的養護の子どもたちへの自立支援の強化があげられました。(福)聖ヨハネ学園ハネ学園の取り組みを紹介します。て、昨年度は4人中3人、今年度は4人すべてが進学を希望するなど、進学率が高くなっています。将来を描きにくい子どもたちも、職員がていねいに関わり、先輩が進学していく姿を見ることで、自分の夢を見つけることにつながります。全体の進学率が高くなっている大きな理由の一つに、貸与で令和4年6月に改正児童福祉法が成自立していく子どもたちを支える児童養護施設聖ヨ同学園では、高校卒業後の進路とし身近な大人のロールモデルが少なく、はない給付型の奨学金が充実してきたことがあります。さらに、同学園では、有志の寄付を活用し、独自の奨学金制度もつくっています。園にいる間にさまざまなことを経験してほしい。失敗をしても、職員が寄り添いフォローすることでまた挑戦してほしいと、職員は自分の子どものように、日々真摯に向きあっています。退所後も、子どもたちは園とつながっています。うれしい報告もありますが、数十年後に大変な状況で関係機関から連絡がはいることもあります。「園として対応が難しいこともありますが、短期間でも園で過ごした子どもたちに対しては責任があります。いろいろな人と園がつながることで多くの縁がうまれていく。そのつながりの大切さと自分を大事に思う人がいることを子どもたちに感じてほしい」と、宮脇施設長は考えています。社会的養護の子どもたちの夢をどう支援し、退所後の生活をどう描いていくのか。児童施設部会では子どもと向きあい、よりよい支援に取り組んでいきます。宮みや脇わき 弘ひろ次じ施設長施設通信頑張っています頑張っています副施設長・CSWの松尾 隆一さんイベントを楽しむ子どもたち大阪しあわせネットワークでは、さまざまな地域貢献に力を入れています。今回は(福)ひじり福祉会 特別養護老人ホーム ゆずの郷(箕面市/老人施設部会)の「高齢者の孤立」への支援実践を紹介します。10子子どどももたたちちのの未未来来をを考考ええるる社会福祉法人の地域貢献社会福祉法人の地域貢献

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