すすむ権利擁護支援ノウハウを生かした支援社協と行政の協働広がれ!広がれ!「自分たちが成年後見制度の実務に携わっていかないと」という思いから、市社協の権利擁護・後見サポートセンターの取り組みとして、平成23年度に法人後見事業をスタート。平成24年度からは市民後見人の養成・活動支援事業を実施しています。令和元年度には権利擁護支援の中核機関を市から受託しました。府内の市町村社協は、平成11年度から成年後見制度における保佐や補助に相当するような方々を支援する日常生活自立支援事業に取り組んでいるので、権利擁護支援のノウハウが蓄積されています。市社協では、本人の判断能力の低下がすすみ、日常生活自立支援事業での対応成年後見制度利用促進法に基づく第二期成年後見制度利用促進基本計画(以下、第二期計画)が、令和4年4月からはじまっています。第二期計画では、権利擁護支援の地域連携ネットワークの整備が示されており、そのためのコーディネートを担う中核的な機関や体制のことを“中核機関”と位置づけています。今回は、認知症や障がいによって、生活や財産管理に支援を必要とする人々の権利擁護の取り組みについて、豊中市(以下、市)福祉部地域共生課のり良ょう本もと弘ひろ和かず主幹、宮みや塚つか晶し子こ氏、豊中市社協(以下、市社協)の飯いい野の哲てつ生お事務局次長、三み木き隆たか弘ひろ権利擁護・後見サポートセンター長に話を聞きました。が困難となった場合、市に市長申立ての相談を行うこともあります。「市にも必要に応じて柔軟に対応してもらえており、以前よりも市長申立てが増えている」と話します。令和3年度は47件の市長申立てがありました。相談があった際には、「最初のアセスメントをていねいに」と心がけ、「いただいた相談電話をいかに必要な制度や事業につないでいくか」を意識しています。一方、意思決定支援の難しさについては、「本人の気もちを優先すると、結果的に生活が破綻してしまう方もいるので、ケースワーカーなどの関係機関と相談しながら対応している」と話します。市社協は、「行政が方向性など大きな枠を検討し、社協が現場で実践するので、行政と社協との日々の関係性がいちばん大事」と考えています。ょう市では、豊中市成年後見制度利用促進部会を年に数回開催し、弁護士、社会福祉士、司法書士や関係機関の参画のもと、市全体の権利擁護支援の方向性、仕組みについて検討しています。 また、成年後見制度利用促進計画を盛り込んだ地域福祉計画も策定中です。「今後、権利擁護は注目されてニーズ 6も高まるので、中核機関の役割が大きくなる。言葉を聞いたことがない、言葉は知っていても制度は知らないなど、認知度に差があるため、認知度の段階にあわせた広報が必要。潜在的な需要に対応する仕組みづくりを市社協といっしょに考えていきたい」と市は考えています。左から 宮塚さん、良本さん、三木さん、飯野さん地域のひろば~中核機関の実践~
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