ふくしおおさか2022年4月号
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孤立・孤独から犯罪へ不安しかない社会復帰です」と語るのは(株)朝陽よ役の硲弘ひ樹きさん。出所者であることを理解したうえで雇用し、立ち直りを支援する地区協力雇用主会に平成22年、発足当初に加入。会会長(当時)の熱意に感銘を受けた硲さんは、「出所者をどんなときでも支える」と保護司としても活動をスタートし、これまで20人を雇用。現在は、地区協力雇用主会会長も務め、昨年、法務大臣から表彰されました。現在も6人が事務や製造など希望に応じた職種に社員として働いています。硲さんはどんな犯罪でも、どんな人でも、決して断ることはありません。出所者に向き合い続け分かったのは、家庭環境や周囲に恵まれず、学校にも行けず孤立し、生きるために罪を犯してしまうという厳しい状況でした。トを少しでも後押しするため、家具家電を完備した寮を準備し、お金がない人には給料を前貸しし、あらゆる相談にのっています。数を数えることができ「はじめは名簿に登録しただけなん加入して2年後、誘ってくれた地区㈱朝陽は照明器具等の製造会社で、硲さんは「立ち直りたい」そのスターちょううろ 6はざまないなど、就労自体難しい人も雇用するため、企業として損失が出てしまうこともありますが、「本人が立ち直るきっかけになり、地域に貢献できるなら代表取締何ともない」と硲さんは語ります。従業員も、出所者がいることは知っていますが、だれかは知りません。しかし、トラブルが起こったことはなく、従業員同士家族のように助け合って働いています。Aさんも、出所後、(株)朝陽で働いています。出所を控え、本当に働けるのか、更生できるのか、犯罪者だと噂されて生きていけないのではないかと、不安でたまりませんでした。刑務所にいるときから、就職活動はスタート。就労支援担当からは、とにかく雇用保険が出るまで働くことをアドバイスされました。 刑務所での面接時、すぐに硲さんを信頼できる人だと感じ、自分の不安をそのまま話しました。そのすべてに答えを出してくれ、その場で社員での雇用を約束してくれたとき、「この人のもとで働き続けることができれば、更生できる」と希望を感じました。自分の経験のなさ、人間関係の不器用さから、また、罪を犯してしまうので特集㈱朝陽 代表取締役 硲 弘樹さん桜の季節。新社会人は真新しいスーツに身を包み、桜の季節。新社会人は真新しいスーツに身を包み、希望と不安を抱きながら新生活をスタートします。希望と不安を抱きながら新生活をスタートします。一方、刑務所や少年院を出所し、大きな不安を抱え一方、刑務所や少年院を出所し、大きな不安を抱えながら、犯した罪に向き合い、更生したいと地域で生活ながら、犯した罪に向き合い、更生したいと地域で生活を始める人もいます。を始める人もいます。今回は、出所者の現状と就労支援に取り組む人々の今回は、出所者の現状と就労支援に取り組む人々の実践を紹介します。実践を紹介します。出所者を地域でささえる 就労支援出所者を地域でささえる 就労支援明日へつなぐ

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