枚方市~権利擁護基盤整備への挑戦と市民後見人~地域のニーズを切り拓く平成28年に施行された「成年後見制度利用促進法」に基づき「基本計画」が定められ、その中でおおむね市町村単位で「中核機関」の設置を推進しており、ワンストップの相談窓口として、地域連携のネットワークづくりがはじまっています。枚方市では、令和3年度から「成年後見制度利用促進基本計画」に基づき、昨年7月に中核機関として市社協に「ひらかた権利擁護成年後見センター(愛称「こうけんひらかた」以下、センター)を開設。行政・市社協・市民が一体となって取り組む実践を令和3年11月19日のマッセ市民セミナーでも紹介。枚方市の権利擁護基盤整備への挑戦について、関係者に話を聞きました。の相談窓口が明確ではありませんでした。そのため、ひとり暮らし高齢者の増加や地域での人間関係の希薄化などから孤立が進み、必要な方に制度を繋げ枚方市には、高齢や障がいの担当部署の相談窓口はありましたが、成年後見制度られていないのではないかという懸念がありました。潜在化したニーズを掘り起こし、適切な支援につなげる仕組みをつくるため、令和2年度に調査や検討を開始し、翌年3月には計画を策定しました。本市が抱える課題に対応するための主な取組として「中核機関の設置」と「成年後見制度の担い手確保」を焦点化しました。中核機関には、日常生活自立支援事業から成年後見制度への円滑な移行を進める観点から、法人後見の実績もあ(※文中の数字は11月の取材時点)る市社協に委託。予算確保のため、企画・財政部門との調整を行いました。協力をお願いし設しました。愛称は公募で決定しました。また成年後見制度の担い手として、平成28年度から本市が養成してきた「市民後見人」の活用促進を掲げることに。現在、市民後見人バンクに13人の登録があり、今年度は3人の方が受任。皆さんのきめ細やかで熱心な活動に心から敬意を表しています。したニーズを切り拓いて制度につなげ、成年後見人を市民が担い、市社協がその活動をサポートするという三つ巴の仕組みが整いました。事業の専門員を経験しています。令和3年度に入り、関係者に説明・、7月に中核機関を開中核機関を設置したことで、潜在化私を含め4人の職員を配置しており、全センターは成年後見制度の広報啓発、相談支援、利用促進、後見人サポート、地域連携ネットワークの5つの機能を有しています。センターを市の広報や機関紙で周知した直後に、多くの市民の方から相談が寄せられました。開設して4カ月間で264件もの相談をいただいています。相談者は地域包括支援センターや障がい者支援関係者など、地域で活動する支援者の方や家族からが多く、主に成年後見制度や申立てに関することが多いですね。相談件数が日に日に増加しています。反響の大きさに驚きましたが、潜在しているニーズがまだまだあるという裏付けにもなりました。その他、センターでは弁護士や司法書士、社会福祉士の専門職による無料の専門相談も実施しています。そして、市民後見人の活動支援も私たちの重要な役割です。府域の市民後見人は、被後見人をひとりの市民後見人で担当する「単独受任」を採用しておセンターは、り、後見監督人も就きません。そのためセンター職員が後見活動を全力でバックアップしています。市民後見人には財産管理だけでなく、施設関係者や金融員が日常生機関との調整や利用契約など大きな役活自立支援割を担っていただきます。また、家庭裁判所への定期的な報告も必要なので、困った時は府社協にも【【枚枚方方市市】】健健康康福福祉祉部部健健康康福福祉祉総総務務課課【【枚枚方方市市社社協協】】ひひららかかたた権権利利擁擁護護成成年年後後見見セセンンタターー6市民行政市社協※成年後見制度…認知症や知的障がい、精神障がいにより判断能力が十分でないため自分自身で契約や財産管理などの法律行為を行うことが難しい場合に、家庭裁判所から選任された成年後見人等がその援助をする制度です。成年後見人等はご本人の意思を尊重しながら生活状況や心身の状況等も考慮し、ご本人に代わって福祉サービスの利用契約や財産管理を行うことで、ご本人の生活や財産を守ります。係係長長 辻辻 優優子子ささんんセセンンタターー長長 谷谷口口広広幸幸ささんん
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