後編し4府立高校生全員を対象に実施されたヤングケアラーに関する調査では、回答者の約6.5%、15人にひとりが世話をしている家族がいると回答し、ヤングケアラーの存在が明らかになりました。前編は当事者が集う「ふうせんの会」をとりあげましたが、後編は、「子ども介護者」(角川新書)の著者、ヤングケアラー研究の第一人者であり、「ふうせんの会」を立ちあげた大阪歯科大学の濱はま島しま淑よ恵え教授に現状と必要な支援について聞きました。今回、府で実施された実態調査は意義のある一歩でした。しかし、回答率をみると困難な状況にある子どもたちが自分のことを回答できたかという課題は残ります。一度だけではなく、今後も継続的な実態把握が必要です。学校や大人に助けてほしいことは特にないとの回答が世話をしている子どもたちの4割に。困っていることを自覚するのが難しい状況も見られます。夜通しのケアのために寝坊し遅刻しても、先生に伝える遅刻理由は寝坊。そうなると、学校も本人の状況に気づかず、だめな子どもだというレッテルをはられてしまうこともあります。逆に、学校では変化の現れない子どももいます。家族を守るため、一生懸命世話に取り組む毎日。誰かに相談することで、家族が非難されることを恐れ、相談できない子どももいます。ヤングケアラー支援は高齢や障がい、児童などさまざまな領域を横断する必要があります。そのため、支援を展開する専門の窓口が必須になります。カーの拡充も重要です。しかし、学校に通っていない子どもたちもいることから、だれもが気軽に相談できる窓口があることが、ヤングケアラー支援の要になります。ングケアラー。まずは、子どもたちの頑張りとしんどさ、そしてそのうらに親自身の困難さもあるということを理解してほしいです。キーパーソンにするなど子どものケアを前提とした支援をしていないか改めて見直していく必要があります。めには「当事者同士が出会う場の提供」、「学習支援」、「家事や食事の支援」、「レスパイト(小休止)サービス」、「伴走者の必要性」があげられます。子ども食堂、学習支援の場に学校へのスクールソーシャルワーまだまだ、社会的な認知度が低いヤ医療や介護の専門職も、子どもをヤングケアラーを地域で支援するた地域で行っているサロンやヤングケアラーの視点を入れることで、少しずつ支援が広がっていきます。ケアと学校の生活だけの子どもたちは、将来の夢を描くための経験の不足が懸念されます。テーマパークに行く、アートなど体験できるレスパイトサービスもぜひ計画してほしいです。『いつも「元気?」と声をかけてくれるおばちゃん。自分のことを気にしてくれる人がいることに救われた』と話す子どもがいました。学校の先生や専門職でなくても、ほどよい距離感で寄り添ってくれる人を子どもたちは何より必要としています。2回に分けて、ヤングケアラーを取り上げてきました。困難な状況にある子どもが自分らしく生きるために、これからも支援の推進に取り組んでいきます。府立高校におけるヤングケアラーの生活実態やケアによる学校生活への影響、支援ニーズ等を把握し、適切な支援につなげることができるよう、実態調査を実施。調査目的調査対象府立高校生全員(102,630人)府立高校各校を通じ、生徒本人に調査概要や調査回答フォームのQRコード等を記載した資料を配布。各生徒は、Web上で回答(回答は任意)。調査手法調査期間等調査期間:令和3年9月3日(金)~10月31日(日)大阪府の報道発表資料より引用回答者数:20,182人(回答率:約19.7%)調調査査はは大大ききなな一一歩歩相相談談窓窓口口はは必必須須寄寄りり添添うう人人がが必必要要府立高校におけるヤングケアラーに関する府立高校におけるヤングケアラーに関する調査結果について(概要)調査結果について(概要)本本人人もも誰誰もも気気ががつつかかなないい社社会会全全体体がが理理解解すするる~寄り添う存在になる~~寄り添う存在になる~ヤングケアラーヤングケアラー
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