オシャレをしなくても生きていけるけど、オシャレは人生を豊かにする。好きな服を着たいという思いは、誰しもがもつ欲求なのに、なぜ障がいを理由にあきらめなければならないのか。llllllllがわひさし以下パリコレに向けてお店がせまいと服を見ることもできないといった状況だった。また、機能性のある服はあるが、着てみたいと思えるようなカッコいい服はないという。そんな現実を目の当たりにし、着脱しやすいカッコいい服を作ってしまえばいい!と思い立ったのが『bottoma』誕生のきっかけだった。スカートで物申す兵庫教育大学の小お川修史准教授と小川ゼミの学生に話を持ちかけ、車いすでも着やすくてカッコいい服を検討し、たどり着いたのが巻きスカートだった。誰でも簡単に着脱でき、スタイルよく見えるアイテムだ。しかし、男性にとってスカートは、ハードルが高い。一方で、袴なら抵抗なく着れる人が多いことから、スカート以外の名称をつけることで手に取りやすくなると考え、『bottoma』と名付け、性別・年齢・障がいの有無に関係なく誰もが着られる服にした。社会の偏見に斬りこむ戦闘服。普段から着用することで、男性はスカートを履かないという身近な固定概念を変えていきたい。未来を創造するすユーザーの方などに参加してもらい、みんなの意見をもとに服を作っている。代表作に、「車いすに長時間乗ってもしわになりにくい丈の短いフォーマルなジャケット」がある。これは、お孫さんの結婚式にオシャレが大好きなおじいちゃんが車いすに乗っているがためにフォーマルスーツをあきらめ、黒のジャージで参加したという話からできたものだ。僕にとって『bottoma』は、小川ゼミの学生や卒業生、車いファッションは個性だから、今までなかった服を生み出すことで、誰もが自分らしく、飛躍できる未来を創る一助になる。また、洋服は、障がい者就労支援施設で作っており、障がい者の社会参加にもつながっている。ひとりで解決しなくていい僕自身はできないことが多い人間だ。スケジュールや金銭管理が苦手で、苦手なことをあげるとキリがない。それでもいろいろな人に声をかけると、みんなが手を貸してくれる。茨木市長もその一人だ。福祉分野以外のPRの場として、会って間もない市長に『bottoma』の着用を打診。活動に共感していただき即座に快諾し、着てくださった。周囲からはいろいろな反響があったようだが、パリコレの後方支援までしていただけることに。ひとりで解決できないことも、声に出して誰かに相談してみると次の一歩が見えてくる。君たちへのメッセージ自分が好きなもの、自分が楽しいものを明確にしておくことは大切だ。得意なことをたくさん見つけることは、この先大人になっても、楽しい時間を過ごせるカギになる。そして、社会が求めるものと、好きなこと、得意なことがリンクするとき、人生はもっと楽しくなっていくのだと思う。僕は、決断しなければいけない時は、損得でなく、ワクワクする方を選ぶことにしている。自分の心に正直に生きた方が、道は開けるものだと信じている。bottomal(ボトモール)の誕生世の中の壁をなくす!ファッションの力! (一社)日本障がい者ファッション協会を立ちあげ、パリコレクション挑戦している。車いすユーザーがランウェイを歩いたことがないと聞いたことがきっかけだった。ファッションにこだわるのは、「かっこいい!」は心で感じるものだから。「かっこいい!」を目の前にしたとき、障がいがあるとかないとかの概念を一瞬でなくすことができる。ファッションを通して、障がい者や福祉に対するマイナスなイメージをプラスに変えていきたい。定番アイテム 「オシャレをしたいという自分の思いで誰かの手を煩わせたくないから、オシャレを封印した」という車いすユーザーの言葉が忘れられない。話を聞くと、車いすで入れる試着室がない、入れても一人で着ることが難しい、そもそもl` () ` `` ` 4KEI HIRABAYASHI アトピー性皮膚炎で美容師を挫折後、美容学校で14年間教員を勤める。学校の新規事業の立ちあげをきっかけに、発達障がい等がある子どもを対象とした個別学習塾の副園長を勤める。その後独立し、障害児福祉事業を運営、プロデュース。2019年11月、茨木市で一般社団法人日本障がい者ファッション協会を設立。世界にファッションという名の自由を!ファッションで、世の中の偏見をはじめとする壁に立ち向かう平ひらばやしけい林景さんにインタビュー
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