未曽有の事態の中で厚労省の通知を受けて後見活動の留意点【アンケート集計報告書】 自らも成年後見人として活動しながら、長く市民後見人の相談などその活動をサポートしてきた社会福祉士の前川敦さん。コロナに直面し「これまで想定もしていない未曽有の事態に、私たち専門職後見人もどう対処すべきか困惑しています」と語ります。「専門職に比べて市民後見人は訪問頻度が多く、それが彼らの強みでもあるんです。被後見人との面会が制限されると『いったい私は何をすればいいんだ』と余計に不安が募られることでしょう」前川さんは、「こんな時だからこそ、改めて成年後見人とは何なのかと原点に立ち返り、被後見人の権利を守ることを考えていただきたい」と訴えます。「面会することはたいへん重要な関わりですが、それだけが身上監護ではありません。ご本人に会えない中、できる限りで被後見人のことを考え、コロナ禍でも利用者の生活や権利が守られているか情報を得る。そういった取組みが後見人には必要です。」コロナ拡大の影響を受け全国に緊急事態宣言が発令された令和2年4月7日。同日付で厚生労働省は感染拡大防止策を各施設において積極的に行うこと、その具体的な方策として面会制限を行うことを通知しました。また、10月15日には利用者の「つながりや交流が心身の健康に与える状況を踏まえ」ることに改められましたが、依然「地域における発生状況や都道府県等が示す対策の方針等」を踏まえることや、面会制限は引き続き社会福祉施設等の判断で行うことは継続されました。条件下で面会を行う可能性は認められつつも、大阪府の状況を見ると、現実的にはあまり変わらないでしょうね」と前川さんは見通します。感染の発生状況等、面会が制限される理由を正しく聞き取り、被後見人の体調、生活状況を確認し必要以上に利用者の権利が制限されていないかを考えること。そして問題が生じた時のために、日頃から施設職員と十分な連携を図ることですね。また、感染防止のためにスマホをお持ちであればCOCOA、大阪府コロナ追跡システムも活用していただきたい」んは、「ご自身で考えながら、しっかりとポイントを押さえた後見活動を継続されている姿には脱帽します。ぜひ今後も熱意のある後見活動をお願いします」とエールを送りました。「つながりや交流の重要性から一定の後見活動の留意点を伺いました。「面会が認められない場合は、施設の田中さんの後見活動について前川さコロナによる面会制限を受け、権利擁護推進室では、活動中の市民後見人43名およびその活動を支援する行政・社協12市町を対象に、「コロナ禍による面会制限下における後見活動と活動支援の実態」についてアンケート調査を行い、10月、報告書をまとめました。市民後見人に「工夫されたこと」を伺ったところ、「マスクや暑中見舞いを送った」「被後見人に電話口まで来ていただき会話した」といった報告がありました。また「いま感じていること」では、「被後見人との関係が継続できるか」という意見が多く、「人と人のつながり」に対して不安を感じられている様子がうかがえました。 7公益社団法人大阪社会福祉士会に所属。大阪公益社団法人大阪社会福祉士会に所属。大阪府市民後見人養成・活動支援事業の企画委員と府市民後見人養成・活動支援事業の企画委員として、市民後見人の活動全般の運営に尽力。北して、市民後見人の活動全般の運営に尽力。北摂ブロックの専門相談員も務める。摂ブロックの専門相談員も務める。第681号 この広報紙の作成には共同募金配分金を活用させていただいています“安心と安全の福祉のまちづくりを”府社協 地域福祉部 権利擁護推進室TEL.06(6764)7760/FAX.06(6764)7811 社社会会福福祉祉士士前前川川敦敦ささんん市市民民後後見見人人ををササポポーートトすするる専専門門職職ととししててーーそれでも私はともに歩む~コロナ禍と成年後見活動~
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