ふくしおおさか2021年4月号
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マンションの共有スペースに私物を置き、意思疎通が難しいひとり暮らし高齢者がいるとの相談が管理会社から包括に入り、施設につながりました。CSW(マイスター)の横よこた田隆りゅ作うささくん(写真)は、すぐに包括と自宅を訪問。本人は、「お金を盗られた」と被害妄想的な発言を繰り返し、精神症状からか、水を飲むことも拒否している状況でした。緊急支援が必要と判断し、社協の見守り相談室に食材支援を依頼。また、在宅医療と介護サービスの連携業務を担う医師会にも協力を求めました。包括、社協、医師会等による地域ケア会議を開催。「本人の思い」を尊重するという支援の重要性を共有し、共有スペースに置かれた私物についてはチームで片付け、一時的に施設で保管しました。また、身体状況については、交代で毎日訪問する体制をとりながら、お金がない状況での医療費を確保するため、生活困窮者レスキュー事業で経済的援助の申請を行いました。数日後、訪問時に倒れている本人を発見。緊急搬送され、命を救うことができました。近隣住民は、荷物の放置には困っていましたが、食材の提供や声掛けなどサポートを行っていました。また、地域での見守り体制構築を目的とした「おまもりねっと事業」(校下社協主催)の相談会に本人も参加し、緊急連絡先を登録。残念ながら、本人が希望していた地域行事への参加はコロナ禍により叶いませんでしたが、この緊急連絡先から親類と連絡がとれ、成年後見制度などへつなぐことができました。横田さんは、「障がいや医療、生活困窮など複合的な課題を横断的に支援するためには地域住民も含めたチームアプローチが必要。断らない相談支援を展開していく中で、経験の蓄積が自分の力になっていることを感じている」と語ります。新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などで、自ら助けを求められない方へのニーズキャッチが課題になっています。大阪しあわせネットワークでは、必要な支援を届けるために、積極的な総合相談をこれからもすすめていきます。頑張って頑張っています!います!地域が気づいたSOSチームアプローチによる支援コロナ禍での地域のつながり「大阪しあわせネットワーク」では、地域や関係機関と連携し、支援を行っています。今回は、(福)山さんすい水学園 サンローズオオサカ(大阪市/老人施設部会)の実践を紹介します。10

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